束の間を超えて ~片想いする同僚兼友人に、片想いをした~ 【番外編追加済】
「おいで?」

 洋輔が手を広げるので、彩子はそこに背中から寄りかかった。洋輔にぎゅーっと抱きしめられる。

「はあー、幸せ」
「私も」

 彩子も後ろから抱きしめられるのは好きだった。洋輔の腕に包まれているととても安心する。

「彩子今日頑張ったね、えらい」
「ふふっ、ありがとう。洋輔も暑いのに一緒にやってくれてありがとう」
「ううん。二人の家のことなんだから当然でしょ」

 洋輔はいつも彩子のことを、そして二人のことを考えてくれる。彩子はそれが嬉しくてしかたない。

「そうやって洋輔が歩み寄ってくれるの嬉しい。こんな素敵な人と家族になれるって思ったら、いっつも幸せな気持ちになる」
「もう、彩子のその素直なところかわいすぎ。俺も彩子と家族になれるの嬉しいよ。楽しみだね」
「うん、楽しみ」

 浴室には幸せが充満していた。
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