束の間を超えて ~片想いする同僚兼友人に、片想いをした~ 【番外編追加済】
 ドラマのエンディングが流れはじめた。このまま放っておけば、次の回が再生されるがいったん止めて、スマホを手に取る。

 適度に彩子を放っておいたから、そろそろ淋しくなっているころだろう。



 洋輔がそのままスマホを見ているふりを続けると、彩子が洋輔の隣に座ってきた。

 横から視線を感じる。


 だがここで振り向いてはいけない。彩子から甘えさせなければ意味がない。

 彼女が恥ずかしいのを堪えて洋輔に甘えてきたとき、彼女はそれはもうこの上なくかわいくなるのだ。


「……洋輔」
「ん? 何?」

 彩子を向いて返事はするが、洋輔からは決して何もしない。

「洋輔」
「うん?」

 彩子は自身の指を握ってもじもじしている。そろそろおちるはずだ。





「……抱っこ」

(よしっ! おちた)
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