束の間を超えて ~片想いする同僚兼友人に、片想いをした~ 【番外編追加済】
「ちゅーして?」

 彩子は洋輔を潤んだ瞳で見つめている。

(あーもう、おねだりたまらんっ!)

「ちゅっ。はい」

 一度だけ口づけてやれば、彩子は不満そうな顔をしている。

 彩子にもっと求めさせたくてわざと一回しかしなかったのだ。

「もっと」

 要望通りたくさん口づけてやれば、彩子の身体から徐々に力が抜けていく。

(そんなに脱力しきって……俺に何されても文句言えないぞ……)



「彩子。ちゅー、気持ちいいね」
「ん、きもちい……もっと」

(うっ、さすがにくる……)

 自身に芽生えた邪な気持ちになんとか蓋をして、軽い口づけを繰り返す。

 一度唇を離し、彩子の頭を撫でてやれば、蕩けきった顔の彩子と視線が合った。
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