束の間を超えて ~片想いする同僚兼友人に、片想いをした~ 【番外編追加済】
 彩子は昼食の時間を使ってどうにかこうにか跳ねる心臓を落ちつけた。洋輔に動揺が悟られていませんようにと願う。

 一方の洋輔はというと、手を繋いだことなどまったく気にしていないようだった。




「午前中は私が見たいところ行ったし、次はペンギン見にいこうよ」
「うん、行く。ちょっと待って地図出す」

 昼食を終えた二人は次に行く場所を相談していた。

 ペンギンを見にいこうと言えば、洋輔は心なしか浮き立っているように見える。本当にペンギンが見たかったようだ。


 地図を広げて位置を確認する。目的のエリアは少しだけ離れた位置にあるようだ。進行方向を確認し、じゃあ行きますかと洋輔が一歩を踏みだした。彩子も仕切り直しだとばかりにルンルンとそれについていこうとした。

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