束の間を超えて ～片想いする同僚兼友人に、片想いをした～ 【番外編追加済】

「やっぱり折戸といるのは楽しいな」
「そう？　私も松藤といるの楽しいよ？」
「そっか、折戸も楽しいならよかったよ。折戸の言う通り、俺たち相性いいね」
「でしょ？」
「折戸と付きあいはじめてからさ、俺毎日幸せなんだよね」

　洋輔からの容赦ない攻めに、彩子の心拍数は急激に上昇した。

　この男はさらっとこういうことを言ってくるからこわいのだ。


「すごい殺し文句なんだけど、それ」
「ははっ。ドキドキした？」
「そりゃーするでしょう。私のことなんだと思ってるの」
「折戸ってあんまり動揺しないじゃん」
「そんなことないと思うけど」
「驚くようなことあっても結構すぐに順応するでしょ。仕事でもそういうところいっぱい見てきたし」
「まあ、それは否定しないけど」
「でも、今はドキドキしたんだ？」
「そこ蒸し返す？」

　彩子をからかって楽しんでいるらしい。

　洋輔は終始ご機嫌だった。