束の間を超えて ~片想いする同僚兼友人に、片想いをした~ 【番外編追加済】
 夕食を終えれば、あとはもう帰宅するばかりだ。

 二人は最寄り駅に向かって歩いていく。繋いだ手はもうそれが当たり前のように馴染んでいた。


「折戸」
「ん?」
「家まで送ってもいいかな?」


 彩子は驚きのあまり立ち止まってしまった。


「え? 急にどうしたの?」
「うん。今日楽しかったから、なんか離れがたくて。もう少し一緒にいたいなって……」
「そっか……えー、そっか。どうしよう……めちゃくちゃ嬉しいな、これ」
「本当に?」
「うん……うん。や、もう嬉しすぎて自分が何言ってるんだか……えー、どうしよう……」

 洋輔のストレートな物言いに彩子はたじたじだ。
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