束の間を超えて ~片想いする同僚兼友人に、片想いをした~ 【番外編追加済】
「うーん、じゃあ今日だけ? 毎回じゃなければ」
「毎回はだめなの?」
「うん。それはやっぱり心苦しいもん。うーん、例えば誕生日デートの帰りとか、そういう特別なときは送ってくれたら嬉しいな」
「……わかったよ。そうする。折戸らしいね」
「ありがとう。かわいくなくてごめんね」
「え、なんで?」
「いや、かわいい女ならこういうとき素直に甘えるでしょ」
「そう? 折戸はかわいいし、かっこいいと思うけど」

 まったくなんて台詞を口にするのだ。この男の隣にいたらいくら心臓があっても足りない。

「それはありがとう……」
「今日はいいんだよね?」

 洋輔はまたあの瞳で見つめてくる。

「うん、今日は素直に甘える。離れがたいのは同じだし……だから今日は送ってください」
「うん! ありがとう」
「なんで送るほうがお礼言ってるの」
「言いたかったからいいんだよ」
「まったく……松藤」
「ん?」
「本当に嬉しいからね。ありがとう」
「ははっ。うん」
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