束の間を超えて ~片想いする同僚兼友人に、片想いをした~ 【番外編追加済】
「彩子、この近くに展望台あるみたいだから行ってみない? 車で十五分くらいのとこみたい」
「うん、行ってみたい」

 紅葉を一頻り楽しんだあと、二人は公園から少し離れたところにある展望台までやってきた。

 日が沈む前のちょうど夕日がきれいな時間だった。

「洋輔、すごいよ。夕日がきれい」
「本当だ」

 その幻想的な風景を見ていると、なんだか二人きりの世界にいるような感覚にとらわれる。

 徐々に落ちていく太陽になぜだか淋しさが募ってきて、彩子は思わず隣にいる洋輔の腕に自分の腕を絡めていた。

 洋輔は一度振り向いて笑みを浮かべたあと、そのまま日が沈んでいくのをじっと眺めていた。

 二人に本当の恋人のような甘い空気が似合わないのはわかっている。それでも今このときだけはどうか許されたいと願う彩子だった。

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