束の間を超えて ~片想いする同僚兼友人に、片想いをした~ 【番外編追加済】
日が沈み、辺りがすっかり暗くなったところで、そろそろ帰ろうかと洋輔に促され、二人は車に戻っていった。
「洋輔」
「ん?」
「今日すっごく楽しかった。ありがとう」
「どういたしまして。俺も楽しかったよ。ありがとう」
「うん。またどこか連れてって」
「もちろん。じゃあ、そろそろ行こっか。シートベルト締めて?」
「うん」
彩子はシートベルトを引きだし、バックルに固定しようと首を下へ向けた。
「彩子」
「ん?」
シートベルトがカチっと鳴ったのを確認してから顔を上げれば、彩子の唇に洋輔のそれが軽く触れて、すぐに離れていった。
目の前には整った洋輔の顔がある。キスをされたのだと理解した。
触れたところからぶわっと全身に熱が広がっていく。心臓がうるさくてしかたない。
この男はどうしてこう不意打ちばかりするのだろうか。
もちろん嫌ではないし、なんなら嬉しい。だが心の準備をする間もなく攻められれば、表情を取り繕うこともできないではないか。いったい今自分はどんな顔をしているのだろう。彩子は不安に思ったが、洋輔はただにこっと微笑むだけで何も言わずにそのまま車を発進させた。
彩子はしばらくの間、黙って外の景色を眺めていた。
「洋輔」
「ん?」
「今日すっごく楽しかった。ありがとう」
「どういたしまして。俺も楽しかったよ。ありがとう」
「うん。またどこか連れてって」
「もちろん。じゃあ、そろそろ行こっか。シートベルト締めて?」
「うん」
彩子はシートベルトを引きだし、バックルに固定しようと首を下へ向けた。
「彩子」
「ん?」
シートベルトがカチっと鳴ったのを確認してから顔を上げれば、彩子の唇に洋輔のそれが軽く触れて、すぐに離れていった。
目の前には整った洋輔の顔がある。キスをされたのだと理解した。
触れたところからぶわっと全身に熱が広がっていく。心臓がうるさくてしかたない。
この男はどうしてこう不意打ちばかりするのだろうか。
もちろん嫌ではないし、なんなら嬉しい。だが心の準備をする間もなく攻められれば、表情を取り繕うこともできないではないか。いったい今自分はどんな顔をしているのだろう。彩子は不安に思ったが、洋輔はただにこっと微笑むだけで何も言わずにそのまま車を発進させた。
彩子はしばらくの間、黙って外の景色を眺めていた。