束の間を超えて ~片想いする同僚兼友人に、片想いをした~ 【番外編追加済】
 その日の夕方、高杉を捕まえた彩子と洋輔は、内定者交流会について高杉から話を聞いていた。

「あー、内定者交流会ね。参加したよ。今年はお前らなんだ」
「はい。今年は私と松藤みたいです。去年どんな感じでした?」
「うーん、ざっと自己紹介して、質問に答えて、最後は食事会だったかな」
「自己紹介ってのは部署紹介とは違うんですかね?」

 人事からのメールには部署紹介についての記載があったのだ。

「部署紹介?」
「はい。人事からのメールに部署紹介用のスライドを準備してもらうって書いてあったんですけど、そういうの準備しました?」
「いや、それはしてないな。もしかしたら今年はちょっと違うのかもね。交流会自体去年が初開催だったみたいだし、まだしっかり定まってないのかも」

 人事部も試行錯誤しているのだろう。

「そうなんですね」
「じゃあ、スライドは俺たちで一から用意しないとだね」
「うん。あとで相談しよ?」
「ごめんね、役に立てなくて」

 高杉は申し訳なさそうな顔をしている。
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