束の間を超えて ~片想いする同僚兼友人に、片想いをした~ 【番外編追加済】
「では、交流会の説明については以上となります。また質問したいことがございましたら、お気軽にお尋ねください。それでは本日はありがとうございました」

 人事から終了の挨拶があれば、参加者たちは席を立って会場を出はじめた。


 彩子も洋輔と共に会場をあとにしようと思っていたが、それより早く洋輔が席を立って走っていってしまった。

 それを目で追えば、洋輔は小谷のところまで駆け寄り何やら話しかけている。小谷も駆け寄ってきた洋輔に嬉しそうに微笑んでいる。


 彩子はどうしようもなく惨めな気持ちになった。

 頭の中で想像していたとはいえ、現実で見るその光景はそんな生ぬるいものではなかった。

 優しく微笑みあう二人。そこには他人が踏み込めない雰囲気があって、まさにお似合いのカップルだと思った。実際にはありえないのだが、それでも二人一緒の姿を見れば、どうしてもそんな考えが頭の中にこびりついて離れなかった。
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