束の間を超えて ~片想いする同僚兼友人に、片想いをした~ 【番外編追加済】
 ところが、数歩歩いたところで突然腕を掴まれてしまった。彩子は驚き振り返った。

 洋輔が彩子の腕を掴んでいる。


「あ、ごめん。そのちょっと帰るの待ってくれる? 小谷の迎えがもうすぐ来るから一緒に待っててくれない?」


 せっかく二人きりにしてやろうとしたのに、それすらいらぬお節介だというのだろうか。彩子のことは気にせず、このくらい甘えてしまえばいいのに。

 そうは思っても、やはり引き留めてくれたのは嬉しかった。彩子は洋輔に頷いてみせると、大人しく洋輔のあとについていった。
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