束の間を超えて ~片想いする同僚兼友人に、片想いをした~ 【番外編追加済】
 小谷のほうまで歩いていく。小谷は一人でちゃんと立ててはいるものの、顔は随分と赤くなっている。

「私、お水買ってこようか?」

 そのまま三人で立っているのも気まずくて、その場から離れる言い訳のようにそう口にしていた。

「ごめん、ありがとう」

 そのごめんは何に対してのごめんだと嫌な考えがもたげてくる。それを振り払いたくて、彩子はそそくさとコンビニへ向かった。

 コンビニは思いのほか混んでいて、水を買うのに少しばかり時間がかかってしまった。

「小谷さん、これお水。飲める?」
「ありがとうございます」

 小谷はそう言って水を受け取るが、キャップが上手く開けられないようだ。しかたなく彩子がキャップを外して水を渡してやれば、こくこくと喉を鳴らしながらその水を流し込んだ。口から離れたペットボトルが倒れていきそうになり、彩子は慌てて受け取ると持っていたキャップでそれを閉めた。
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