青空の向こう
「何のご用件でしょう?」
私は改めて問いかける。私の単刀直入な話し方に村長は渋い顔をする。話し方にも順番があるだろう、と言いたげだ。
確かに、本来なら挨拶から始まって、少し世間話をして・・・・そんな手順を踏むべきなのだろう。たけど、私にはそんな手順を踏む気にはなれない。早く帰って欲しかった。
そして、その気持ちは態度にありありと現れていた。
「迷惑そうじゃな」
村長もあっさりしたものだった。
以前の私なら、今後を考えて取り繕っていたところだが、今の私にはその必要はない。この村を出て行く私には、気を使う必要は何処にもないのだから。
自然と態度はそっけなくなる。
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