青空の向こう
私は反射的に体がのけぞっていた。


ビックリした。顔が急にどアップになるんだもの。


「気にしてないよ。周りの景色を見ていただけだよ。君だって、そうだろ?」


ルウは優しい声で話しかけてくれる。


「そうだったら、いいんだけど」


私は自分に自信がないから、呟く声になっていた。


「こんなに綺麗なのに見ないなんて勿体無いだろ?」


ルウは大きく両手を広げている。


周りの山々は青々とし、空はどこまでも高く澄んでいる。今日の青空はルウの瞳の色だった。
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