青空の向こう
「本当に?」

イヴは恐る恐る僕に聞いてきた。藁にでもすがる思いなのか、上目使いに僕を見上げてくる。

こんな目をされたら、男としてはたまらない。保護意識を駆り立てられる。


イヴって、今自分がどんな顔をしてるか、自覚ってないんだろうな~

僕はそう思わざるおえなかった。安心させるために、同じ言葉をゆっくりと繰り返す。


イヴは落ち着いたのだろう、やっと僕に笑顔を見せてくれた!


それは今までに見たことのない綺麗な笑顔だった。花が咲き誇ったように見える。


可愛い。

僕は純粋にそう思った。同時にそんな笑顔を見れて嬉しかった。
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