ミステリアスなイケメン俳優は秘密の妻と娘を一生離さない。
星來の憂鬱
私が入社して早1週間。今日は恭ちゃんが入社祝いにランチを奢ってくれた。
会社の近くにあるオリジナルのハンバーガーショップで、TVで紹介されたことがあるくらいに人気店らしい。
「んっ!美味しい!」
ハンバーグはジューシーでレタスはシャキシャキ、トマトとピクルスも美味しい。
「こういうのもいいだろ」
「うん、美味しい。ハンバーガーって食べづらいけど、恭ちゃんなら気にしなくていいもんね」
「どういう意味だよ」
日華さんの前で大口開けて食べるのはちょっと……うん、恥ずかしい。
「遠慮しなくていいってこと」
「褒め言葉と受け取るわ。それよりいつ子どもに会わせてくれんの?」
「私はいつでもいいんだけど、恭ちゃん忙しくないの?」
「土日なら割と空いてるけど」
「じゃあ今度娘とピクニックに行くんだけど、一緒に行かない?」
「ピクニックか。楽しそうだな」
なら一緒にピクニックしよう。
星來、恭ちゃんのこと気に入ってくれるかな?日華さんにはすぐ懐いたけど。
「つーかあかり、最近どうなの?」
「どうって?」
「入社の前に引っ越したとか言ってたじゃん。実家に戻ったの?」