ミステリアスなイケメン俳優は秘密の妻と娘を一生離さない。


 星來は少し首を傾げてから、こくんと頷いた。


「いいよ」

「ありがとう!恭ちゃん、星來に会えるのすごく楽しみにしてるんだよ。遊んでもらえるの楽しみだね」

「……うん」


 何となくテンションが低いけど、多分知らない人に会うから緊張してるのかな。
 人見知りしないでお話できたらいいのだけど。


* * *


 ピクニック当日。朝から星來と二人でおにぎりを握った。
「おにぎり、にぎにぎ〜」とオリジナルの歌(?)を歌いながら握る程、星來はご機嫌。鮭の他にも梅干し、おかか、具なしの塩おにぎりも作った。
 塩おにぎりって結構美味しくてハマるんだよね。


「ぴくにく〜♪」

「楽しみだねぇ」


 今日のピクニックは代々木公園へ行くことに。まだ紅葉には早いけど、少しずつ秋の訪れを迎えている。


「あっ!恭ちゃん!」


 恭ちゃんは既に待っててくれていた。私たちに気づくと、恭ちゃんは片手を挙げる。


「よお」

「ごめん、待った?」

「いや、俺も今来たとこ」


 私の後ろに隠れる星來の手を引き、促す。


「星來、このお兄さんが恭ちゃんだよ。ママのお友達」

「……きょーたん?」

「ご挨拶できる?」

「かがみせいらです」


 星來は緊張しているのか、どこかぎこちなく、でもちゃんと自己紹介できた。


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