ミステリアスなイケメン俳優は秘密の妻と娘を一生離さない。


「初めまして、星來ちゃん。よろしくね。恭ちゃんって呼んでね」

「きょーたん」

「かわいいなぁ!小さい頃のあかりよりしっかりしてるじゃん」

「ちょっとどういう意味よ?」

「ははっ。さあ、行こうか」


 大きな木の木陰にレジャーシートを敷き、早速お弁当を広げる。おにぎりの他におかずはタコさんウインナー、卵焼き、肉巻きアスパラガスやにんじん、プチトマトと星來の好きなもの中心に作った。


「星來ちゃん、プリン好き?」

「すき」

「よかった。プリン買って来たんだよ」


 恭ちゃんが買ってきてくれたプリンは、黄金色に輝いていてカラメルソースも濃厚そう。人気スイーツ店で一番人気のプリンだ。


「これよく買えたね?」

「取引先の偉い人がこのプリンの大ファンでよく買って行くんだよ」

「へー。星來、よかったね。プリン好きだもんね」

「……すきだけど、いらない」

「えっ」


 いつもなら喜んで食べるのに、どうしたんだろう。


「まあ、食べれなかったら持って帰ってよ。お弁当だけでお腹いっぱいになるかもしれないし」

「そうだね。ごめんね恭ちゃん」

「全然いいって」


 星來の分は持って帰ることにして、私はその場でいただいた。ぷるんとした濃厚な甘さとカラメルの苦味がとても美味しい。


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