ミステリアスなイケメン俳優は秘密の妻と娘を一生離さない。
「ん〜〜!美味しい!」
「普通プリンから食べるか?」
「いつ食べようが私の勝手じゃない」
「あかりのそういうとこ、ガキの頃から変わってないな」
「大きなお世話です〜」
そんな私たちのやり取りを星來はじっと見つめていた。
「そうだ星來ちゃん、シャボン玉で遊ばない?」
「しゃぼんだま?」
「見てて」
恭ちゃんはシャボン玉の液と吹き棒を取り出し、シャボン液をたっぷり浸けてフーッと吹く。
目の前に小さなシャボン玉がいくつも浮き上がった。
「しゃぼんだま!」
「わー!すごいねぇ」
「星來ちゃんもやってみる?」
「うん」
恭ちゃんから受け取り、星來も真似してフーッと吹いてみる。すると恭ちゃんのより小さなシャボン玉ができあがった。
「上手上手!」
キラキラと光るシャボン玉がふよふよと空中に漂い、やがて弾けて消える。生まれてはまた消える。
そんな一瞬の光景がとても綺麗だ。
「ゆっくり吹くと大きいシャボン玉ができるよ」
そう言って恭ちゃんはなるべくゆっくり膨らませ、手のひらに乗るくらいの大きなシャボン玉を作った。
「恭ちゃん上手!」
「まあな」
「大きいシャボン玉だねぇ、星來」
「ママ、おっきいしゃぼんだますき?」