ミステリアスなイケメン俳優は秘密の妻と娘を一生離さない。


 ヘアメイクもやってくれるということで、星來はツインテールにしてくるんとコテで巻いてもらった。ティアラを乗せたらお姫様みたい。


「かわいい!お姫様みたい!」

「せいら、おひめさま?」

「うん!星來姫だよ!」

「えへへ〜」


 星來はすっかり元気とご機嫌を取り戻していた。いや、それにしてもかわいすぎる。親バカだと言われてもかわいいものは仕方ない。


「あかり、星來ちゃん」


 そこへやって来た日華さんを見て、私の心臓は止まるかと思った。スーツに身を包み、髪型もセットした日華さんはキラキラオーラダダ漏れの俳優そのものだった。


「にちかさーん!」


 星來は嬉しそうに駆け寄って日華さんに抱きつく。日華さんは星來を抱き止め、そのまま抱っこした。


「星來ちゃん、すごくかわいいよ」

「せいら、おひめさま!」

「うん、正にお姫様だね」

「えへへっ」

「さて星來姫、あなたのママはこれから魔法で変身されるんです。私と一緒にお留守番できますか?」

「できるー!!」

「流石は姫。では、いい子で待っていましょう」


 そして私に目配せした。自分が見ているから着替えておいで、と言ってくれているのだろう。

 まだ胸のときめきを感じつつ、お言葉に甘えてさせてもらった。


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