ミステリアスなイケメン俳優は秘密の妻と娘を一生離さない。
ドレスに着替え、靴とバッグも貸していただき、更にはヘアメイクまで。いつも適当に結いていた髪は綺麗に巻いてもらい、メイクはドレスに合わせてブルーパープル系のアイシャドウにラメを乗せてキラキラにしてもらった。
鏡に映った自分を見た時、少しは日華さんの隣に立ってもおかしくないかなって思った。
こんなに高いヒールは出産してから履かなくなったので、緊張してしまう。
転ばないように気をつけながら、二人が待つ控室に戻った。
「ママかわいい!!」
すぐに私に気づいた星來は、とびきりの笑顔で迎えてくれた。
「あかり……すごく綺麗だよ」
真っ直ぐ私の目を見て褒めてもらって、嬉しいけどとても恥ずかしい。
「日華さんもすごくカッコよくて素敵です」
「ありがとう」
優しく微笑みながら右手を差し出され、おずおずとその手を取った。手を握られただけで、緊張してドキドキが止まらない。
「足元気をつけてね」
日華さんにエスコートしてもらいながら、待っていてくれた車に乗り込む。運転席にはマネージャーの水川さんがハンドルを握って待っていてくださっていた。
「わあ、皆さん素敵ですね!」
「水川さんお疲れ様です。あの、今からどこに……?」
「お疲れ様です。日華さんからお二人にプレゼントがあるようですよ」