ミステリアスなイケメン俳優は秘密の妻と娘を一生離さない。


 結局行き先がどこなのかわからない。日華さんもニコニコしたまま教えてくれない。

 まさかパーティーに行くわけではないだろうし、どこに行くのだろう?


「どこにいくの?」

「すっごく綺麗なところだよ」

「きれえなとこ?」


 星來はずっと日華さんの膝の上に座っている。久々に会えて嬉しいのか、ずっと日華さんにくっついていた。


「着きましたよ」


 到着したのは、高級ホテルに入っているフレンチレストラン。そこの個室に案内された。
 東京の夜景が一望できる一等席だ。


「すご〜い!」

「ね?すごく綺麗でしょ」

「うん!きれえ!」

「すごく素敵……いいんですか?こんな特別な場所で」

「ここなら誰にも見られずに楽しめるでしょ?こういう場所はお忍びでよく使われるから、スタッフも理解があるしね」


 案内してくれたスタッフは恭しく一礼する。確かにここに来るまで、あまり人目につかないように配慮してくれた。


「こちら、お嬢様のお召し物です。上から被れるようになっておりますので、ドレスを汚さずに召し上がっていただけると存じます」

「あ、ありがとうございます」


 こんなものまで用意してくださるなんて。このエプロンのスタイならドレスが汚れない。
 子ども用の椅子も用意されてるし、こんな高級レストランに子連れで不安もあったけど、流石のおもてなしも超一流だ。


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