ミステリアスなイケメン俳優は秘密の妻と娘を一生離さない。
日華さんの提案でホテルの部屋にあるお風呂に三人で入ることになった。今更だけど、この部屋はとても広い。
スイートルームが取れなくて残念だったと言っていたけど、充分すぎる広さと豪華さだ。
バスタブも三人で余裕で入れてしまう広さだし、ジェットバスもついている。アメニティとして置いてあったバブルバスの入浴剤を入れ、お風呂を泡まみれにして入ることにした。
「あわあわ〜!」
「泡がいっぱいだねぇ」
泡だらけのお風呂なんて初めてなので、星來は大はしゃぎ。泡で動物を作ってみたり、頭に乗せて遊んだ。
こんな風に星來の笑顔が見られてすごく幸せ。
「パパはずっとせいらのパパ?」
「ずっとパパだよ」
「いつから?」
「星來が生まれた時から」
「じゃあ、どうしていっしょにすまないの?」
「ごめんね。今お仕事が忙しくて……でも、絶対一緒のお家に住めるようになるよ」
「ほんと?」
「うん、だからもう少し待っててくれる?」
「わかった」
「ありがとう」
もう一度ぎゅーっと抱きしめる。星來はもう泣かなかった。強い子だと思った。
星來がもう少し大きくなったら、ちゃんと話さないといけない。どうして今まで一緒にいられなかったのか。
全部理解できるか、納得してもらえるかはわからないけれど。