ミステリアスなイケメン俳優は秘密の妻と娘を一生離さない。


「加賀美さんもバーベキュー行くんですかぁ?」

「はい。春日井さんも?」

「行きますよ〜。他部署のイケメンとお近づきになれるチャンスだしぃ」


 春日井さんは本当にブレない。私とは正反対の子だけど、何だか憎めない感じなのよね。
 顔見知りが多いのは心強いし、楽しみだなと思った。


「てゆーか加賀美さん、いつも堅いですよね」

「え、そうですか?」

「桜子のが年下なのに敬語だしぃ」

「歴では春日井さんの方が先輩ですから」

「え〜。でもなんか距離あるので、桜子って呼んでください」

「あ、はい、桜子ちゃん」

「桜子もあかりさんって呼びますね〜」


 なんか意外にも春日井さん、もとい桜子ちゃんは私に対して好意的に接してくれて嬉しい。
 良い職場環境に恵まれてよかった。

 そしてその週末、星來を連れてバーベキューに向かう。当たり前だが総務部以外に知っている人はいないので、すごく緊張した。


「あっ!加賀美さーん、こっちこっち!」


 秋野さんが手を振って読んでくれた。その隣には息子さんと思われる男の子もいる。


「息子の翔太です。今小学3年生になったところなの」

「初めまして、翔太くん。お母さんにお世話になっている加賀美です。こちらは娘の星來、3歳です」

「こんにちわっ!」

「こんにちは!ご挨拶できて偉いねぇ、星來ちゃん。ほら、翔太もっ」

「こんにちは」


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