ミステリアスなイケメン俳優は秘密の妻と娘を一生離さない。
それから3年の月日が経ち、星來は3歳になった。
私は派遣社員をしており、食品企業の事務として働いている。
保育園のお迎えがあるため時短契約となり、それだけでは足りないので副業としてデータ入力のアルバイトもやっている。
たまに両親の手を借りながら、一生懸命働いて子育てをしてきた。
私の密かな楽しみが、日華さんが出演しているドラマや映画を観に行くこと。
辛くなる時もあったし、もう二度と会えないけれど、作品を通してなら会える。
ますます活躍の幅を広げていく日華さんは、本当に手の届かない人になってしまった。
でも、これでいい。
この人はスターになるべくしてなる人だった。
初めてあなたの演技に魅了されてから、きっと心のどこかでこうなる日が来ることを予知していたように思う。
私のような平凡な一般人、最初から不釣り合いだったのだ。
あなたはあなたの相応しい人を見つけて、みんなから祝福されて幸せになって欲しい。
だから、画面越しでは見つめさせて。
画面越しでいいから、ずっとあなたに恋させてください。
27歳にもなってなんて痛々しいのだろうと思うけど、あなた以外に愛せる気がしないから。