ミステリアスなイケメン俳優は秘密の妻と娘を一生離さない。
バーベキュー会場のトイレで用を済ませ、軽くメイク直しもして、何となくスマホを見た。
「え……?」
何となく開いたニュースに衝撃が走る。
信じられない見出しが出ていた。
震える指でニュースの記事をタップする。何かの間違いであって欲しいと願いながら、記事を開く。
「……っ!!」
嘘だ、嘘だ。
そんな、どうして――……。
私は無我夢中で電話をかける。コール音が数回鳴った後、切れてしまった。
LIMEを送っても既読はつかない。
私は何かに取り憑かれたようにSNSを片っ端から遡った。トレンドにも出ていた。
でも、そこに私の欲しい情報はない。
「――あかり」
突然背後から肩を叩かれた。振り返ると、恭ちゃんだった。隣には手を繋がれた星來もいる。
「どうしたんだよ。遅いから心配したぞ」
「……っ」
「あかり?」
「ママ?」
私はガシッと恭ちゃんの両腕を掴む。
「今すぐロサンゼルスに行かなきゃ……」
「は?」
「私っ、今すぐロスに行かなきゃいけないの」
「はあ!?何言ってるんだよ」
「これから、羽田空港に行って……」
「あかり!!急にどうしたんだよ!何があった?」