ミステリアスなイケメン俳優は秘密の妻と娘を一生離さない。
「陽生日華が星來ちゃんの父親?マジかよ……」
「お願い、恭ちゃん。このことは……」
「誰にも言わない。頑なに言わなかったのはそれが理由だったんだな」
私はこくりと頷く。恭ちゃんはベビーカーで眠る星來の寝顔をまじまじと見つめた。
「言われてみれば似てるような?」
「目元が似てるの」
「星來ちゃんも知ってるのか?」
「うん、はっきりパパだってわかってる」
静かに寝息を立てる星來の頭を優しく撫でる。
「まだ事務所にはちゃんと認めてもらったわけじゃなくて、多分今日華さんが説得してくれてるところで。まだ籍は入れられないの」
「子どもまでいるのに今更認めるとかあるのか?」
「仕方ないじゃない。日華さんに隠し子がいたなんてわかったらどうなるか」
「でもそのせいであかりは辛い思いしてきたんだろ?」
「私は大丈夫」
少し怒ったような表情の恭ちゃんを真っ直ぐ見つめる。私のことを本気で心配してくれているのだろう。やっぱり恭ちゃんは優しい。
「これでも今は幸せなの。もう少し待ったら日華さんと一緒になれるんだもの」
「それっていつなんだ?」
「わからない。でも信じてるから」