ミステリアスなイケメン俳優は秘密の妻と娘を一生離さない。
家族への誓い
何度肌を重ね合わせても、心臓のドキドキは収まらない。むしろどんどん高まっている。
「ん……っ、はあ……っ」
酸素を奪い合うように何度も何度も舌を絡ませながら、器用に私の服を脱がせていく。
キスだけで既に頭がぼうっとしている私をベッドの上に組み敷いて、馬乗りになったまま上半身の服を脱ぎ捨てる日華さん。
何度見ても慣れない、美しくも逞しい筋肉と溢れ出る色気に頭がクラクラする。
「そんなに見つめられると優しくできなくなるよ」
私を見下ろす彼の表情は、どこか野生みのある恍惚さと妖艶さがあった。胸が締め付けられるくらいにキュンとする。
この人のことが欲しいと思った。
「優しくしなくて、いいですよ……?」
「っ、煽らないで」
「あっ」
噛み付くように私の胸を愛撫し始め、思わず淫らな声が漏れ出てしまう。優しくできないと言いながら、私に触れる手は優しい。
だけど、どこか荒々しさもありその温度差にドキドキしてしまう。全身に舌を這わせ、身体中に緋い花が咲き乱れる。
誰も知らない日華さんの妖艶で雄々しい一面。私しか知らない日華さん。
日華さんを独り占めできる私だけのものだ――。
「ぁ……っ、ん……っ!」
彼と一つになって溶け合って、幸福感で満たされる。キスの雨が降り注ぎ、キスされた箇所すべてが甘く痺れる。
「あかり、愛してる。絶対離さないから」
あなたしか見えていないのに、まるで懇願するように必死に私を求めてくれるところがたまらなく愛おしい。心から私を欲してくれているのだと、胸がいっぱいになる。