ミステリアスなイケメン俳優は秘密の妻と娘を一生離さない。


 いつの間にか起きたらしい星來がじーーっと私たちを見つめていた。慌てて離れる。


「お、おはよう星來!」

「おはよう」

「パパとママ、なかよし?」

「そっそう!仲良しだよ!」


 恥ずかしさで顔から火を噴きそうだったけど、星來はとっても嬉しそうに表情を明るくする。


「なかよし!」

「うん、パパとママは仲良しだし、星來とも仲良しだよ」

「なかよし!パパだっこ!」

「よーしおいで」


 日華さんが腕を広げると、星來はその中に飛び込む。その時、やっぱり星來が笑ってくれることが一番の幸せだなぁと思った。


「いただきますっ」

「いただきます」


 こうやって三人で食卓を囲むことも久しぶりだ。
 日華さんは味噌汁を一口飲んだだけで、目頭を押さえていた。大袈裟すぎて笑ってしまった。


「そうだあかり、ご両親に挨拶がしたいんだけど」


 言われてハッとする。そういえば両親に何も話してなかったな……。
 一時は実家に身を寄せることにしてその話もしたけど、結局今の社宅を貸してもらえることになったし。その時も「やっぱり大丈夫!」なんて言って詳しいことは話してない。


「俺の家族にも会って欲しいんだ。実は結婚したい人がいるってことと、既に子どもがいるってことも話してあって」
「ご両親、驚かれたんじゃないですか?」
「うん、お前に限ってそんなことはないと思ってたのに、って言われた」


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