ミステリアスなイケメン俳優は秘密の妻と娘を一生離さない。
そんな感じで実家に到着した。
「ただいま〜」
「じーたーん!ばーたーん!」
「おかえり」
私の両親がいつも通りの笑顔で出迎えてくれた。やっぱり実家は安心する。
「星來、大きくなったね」
「また背が伸びたんじゃない?」
「せいら、おっきくなった!」
「お、姉ちゃん、星來おかえり」
その後ろから顔を出したのは弟の光。
「ひーくんだ!」
「元気だったかー?」
「げんき!あのね、きょうね、せいらのパパがいっしょなの!」
星來がそう言った後ろから、かなり緊張した面持ちでゆっくりと日華さんが顔を出す。帽子とマスクを外し、ぎこちなく頭を下げた。
「初めまして、陽生日華と申します」
「…………。」
「…………。」
「…………。」
お父さんもお母さんも光も、日華さんを凝視したまま固まっている。日華さんは居心地悪そうに三人からの視線を受けていた。
「ちょっとみんな!何とか言ってよ」
私がすぐ近くにいたお父さんをこづくと、ハッとしたように我に返り、そして声を上げた。
「本物じゃないか!!TVで見たまんまだ!!」
「陽生日華がうちにいるわ!!どうしましょう!!」
「ヤベーー!!マジで姉ちゃんの旦那だったのかよ!?」