ミステリアスなイケメン俳優は秘密の妻と娘を一生離さない。
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それから車で移動し、実家へと向かう。あかりの実家へ行く時と違い、あまり緊張していないが逆にあかりがソワソワしていた。
「一応事前に大体の経緯は話してて、星來が俺の子だってことも言ってあるんだけど、そしたら兄夫婦と弟まで会いたいって言っててさ。
かなり大所帯で驚かせちゃうかも」
「いえ、大丈夫です。お兄さんはお子さんもいらっしゃるんですよね?」
「うん、甥が今6歳で姪が4歳になったところ。星來とちょうど遊べるかな」
「そっか、従兄妹になるんですよね。楽しみです」
まあ多分大丈夫だと思うけど、あかりが圧倒されないといいな――。
「ここが俺の実家だよ」
「え……、大きいですね」
「そうかな?」
確かに3階まである戸建てだし、庭もあるから普通の家よりデカいし広いのかもしれない。今は兄弟三人とも家出てることを考えたら、この家に両親だけで住んでるんだもんな。
確かに二人で暮らす家ではないな、なんて考えながら門扉を開いて中へ入る。
「ただいまー」
声を聞きつけ、ドタドタと騒がしい足音が近づいてくる。
「日華くん!?」
「にちかだ!」
「おかえり〜」
誰よりも先にやって来たのは、義理の姉とその子どもたち。我先にとあかりと星來を見に来たのだろう。俺が結婚すると聞いて、一番興奮してたの義姉さんだったからな。