ミステリアスなイケメン俳優は秘密の妻と娘を一生離さない。


* * *


 それから車で移動し、実家へと向かう。あかりの実家へ行く時と違い、あまり緊張していないが逆にあかりがソワソワしていた。


「一応事前に大体の経緯は話してて、星來が俺の子だってことも言ってあるんだけど、そしたら兄夫婦と弟まで会いたいって言っててさ。
かなり大所帯で驚かせちゃうかも」

「いえ、大丈夫です。お兄さんはお子さんもいらっしゃるんですよね?」

「うん、甥が今6歳で姪が4歳になったところ。星來とちょうど遊べるかな」

「そっか、従兄妹になるんですよね。楽しみです」


 まあ多分大丈夫だと思うけど、あかりが圧倒されないといいな――。


「ここが俺の実家だよ」

「え……、大きいですね」

「そうかな?」


 確かに3階まである戸建てだし、庭もあるから普通の家よりデカいし広いのかもしれない。今は兄弟三人とも家出てることを考えたら、この家に両親だけで住んでるんだもんな。
 確かに二人で暮らす家ではないな、なんて考えながら門扉を開いて中へ入る。


「ただいまー」


 声を聞きつけ、ドタドタと騒がしい足音が近づいてくる。


「日華くん!?」
「にちかだ!」
「おかえり〜」


 誰よりも先にやって来たのは、義理の姉とその子どもたち。我先にとあかりと星來を見に来たのだろう。俺が結婚すると聞いて、一番興奮してたの義姉さんだったからな。


< 178 / 195 >

この作品をシェア

pagetop