ミステリアスなイケメン俳優は秘密の妻と娘を一生離さない。


「久しぶりだね、義姉さん。(かける)莉華(りか)も元気だった?」
「よっ!にちか〜!」


 片手を挙げる翔と、あかりを見るなり興奮気味に目を輝かせる義姉のちなみ。


「あなたが日華くんの!?すごく綺麗な方じゃない!なるほど、こういうタイプが日華くんの好みなのね」
「やめてよ義姉さん……」
「あっ私、日華くんの兄の妻のちなみです!この子たちはうちの息子と娘!」
「初めまして、加賀美(あかり)です」
「にっちゃん、そのこだれ〜?」


 姪の莉華があかりに抱かれている星來を指差す。


「この子は、俺の娘の星來だよ」
「えーー!?」


 大声をあげて目を丸くする翔の頭をポンと撫でたのは、兄の未散(みちる)だった。


「こら翔、大声をあげたらびっくりさせるだろう」
「兄貴」
「久しぶりだな、日華」


 兄貴に続いて父と母、弟の壱葉(いちは)もやってくる。聞いてはいたけど、本当に全員集合していたらしい。


「こちらが加賀美(あかり)さん」

「は、初めまして、加賀美(あかり)と申します。こっちは娘の星來です」

「初めまして、日華の母でございます」


 母は柔和な笑みを浮かべ、あかりを迎え入れた。


「よく来てくださいましたね。さあどうぞ、上がってください」

「お邪魔します」


 簡単にうちの家族を紹介した。
 まず開業医の父と父の病院で医療事務をする母、同じく医者で兄の未散。
 未散の嫁のちなみとその子どもの翔と莉華。
 そして高校教師の弟、壱葉。


「ご実家は病院だったんですね」
「そうなんだ。ロスで倒れた時はすごく怒られたよ」
「お前は体調管理がなってない」


 厳しい口調の父には散々色々言われた。


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