ミステリアスなイケメン俳優は秘密の妻と娘を一生離さない。
「あかりさん、ずっとお一人で星來ちゃんを育ててきたのでしょう?ご苦労されましたね」
「実家にも助けていただきましたから」
「これからは我が家のことも頼ってくださいね」
「ありがとうございます」
あかりは最初こそとても緊張していたが、段々とリラックスできるようになったのか笑顔が見られるようになった。
星來は別の部屋で翔や莉華と遊んでいる。
「てかあかりさん、マジで日華でいいの?」
遠慮なくズバッと聞くのは弟の壱葉だ。
「女優とラブシーンとか撮るの嫌じゃないの?」
「壱葉!もう少し言葉を選ばないか」
「だって気になるじゃん」
壱葉は良くも悪くも直球すぎるところがあるんだよな……。あかりが気分悪くしないといいけど。
とはいえ、この質問は俺も気になっていたことではある。
「気にしませんよ。だってお仕事ですから。いちいち辛くなっていたら身が持ちません」
はっきりと断言するあかりは流石だなと思った。あかりのこういうところが好きだ。
自分の心の狭さが浮き彫りになって悲しくなるところではあるけれど。
「へー流石だねぇ。あかりさんっていくつ?」
「27です」
「俺とタメじゃん。タメ口で話そうよ。あとあかりちゃんって呼んでもいい?」
「壱葉、いい加減にしろ」