ミステリアスなイケメン俳優は秘密の妻と娘を一生離さない。


 壱葉はやけに距離が近い。壱葉はチャラチャラしたところがあるが、流石に兄の妻になる人に手を出そうとはしないと奴だとは思うけど――。


「日華が感情的になるなんて珍しい」
「そこまでにしろ、壱葉」


 兄貴が壱葉をたしなめた後、あかりに向かって頭を下げた。


「すみません、あかりさん。失礼な弟で」
「いえ、とんでもないです」


 そこへ別室で遊んでいた子どもたちがやって来た。


「ママー!パパー!」
「星來」
「かみひこーきつくったの!」


 星來は作ったばかりの紙ヒコーキを見せてくれた。折り紙で折られていて、よくできている。


「上手だねぇ」
「かけるくんと、りかたんとつくったの」
「もう仲良しになったの?よかったね」
「おえかきもしたよ」


 動物らしきものが描かれている絵を見せてくれた。子どもの絵ってどうしてかずっと眺めていられる魅力があるんだよな。
 俺は翔と莉華の頭を撫でた。


「星來と遊んでくれてありがとう」
「まーな。いとこだから」
「いとこだから!」


 いとこの意味を理解しているのかは怪しいが、とりあえず仲良くできているみたいでよかった。
 その後みんなで食卓を囲んだ。星來にもちゃんと俺の家族を紹介し、星來にとっても家族であることを教えた。
 何となくおじいちゃん、おばあちゃんであることはわかったようだ。


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