ミステリアスなイケメン俳優は秘密の妻と娘を一生離さない。
妃乃が戻って行くのと入れ替わりに、恭ちゃんが来てくれた。
「おめでとう、あかり」
「ありがとう」
「さっき星來ちゃんに会ったよ。すごくはしゃいでかわいかった」
「いつもと違う雰囲気にドレスまで着せてもらって、楽しくて仕方ないみたい」
あんまりはしゃぎすぎて転ばないか心配だけど、両親がついてくれてるから大丈夫かな。
「それにしてもハワイにしては地味婚じゃないか?もっと派手にやればよかったのに」
「いいの。あまり大勢でやると星來との距離が遠くなってしまうから。
二人で相談してこうしようって決めたんだ」
「そうか」
恭ちゃんは目を細めて優しく笑った。
「幸せになれよ」
「ありがとう」
そして結婚式のセレモニーが始まる。
どんな時でも味方でいてくれて、星來を妊娠した時も支えてくれた父と母。
母がベールダウンしてくれて、父とともにヴァージンロードをゆっくりと歩く。その後ろではベールをしっかりと持って歩く私たちの最愛の娘・星來。
大切な家族、友人たちに見守られながら、日華さんの元へと辿り着く。
父の手から彼の手へと渡る前に、父は日華さんにしか聞こえない声で何を囁いた。日華さんは力強く頷いていた。