ミステリアスなイケメン俳優は秘密の妻と娘を一生離さない。


 星來の頭をわしゃわしゃと撫でると、星來はくすぐったそうにキャッキャッと笑った。
 星來のおかげで元気になれた。


「それからね〜、ママがすきなしともかいた!」

「ええっ!?」


 これって、もしかして日華さん!?


「ママのすきなしと、おなまえなあに?」

「えーっと……」

「星來ちゃん!おかばん持って来ようか!」

「はーい」


 先生に言われると、星來は自分の鞄を持って来た。

 これはもしかして、先生に気を遣われてしまった?何か勘違いさせているような気がする。


「えっと、実は私、陽生日華のファンなんですよ!」


 ここは素直に言ってしまった方が誤解を与えない。


「いつもドラマ見てるから、星來が覚えてしまったみたいで!」
「そうだったんですね!わかりますよ〜。カッコいいですよねぇ〜」
「あら、星來ちゃんママも陽生日華好きなんですか?実は私もなんです!」


 まさかの近くにいたお母さんまで、同調してくれた。そんな感じで意外に話が盛り上がって終わった。
 星來にも名前を教えたら、「にちかさん!にちかさん、にちかさん」と何故か嬉しそうに何度も名前を呼んでいた。

 ああ、パパだって教えてあげられたらよかったのに……。


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