ミステリアスなイケメン俳優は秘密の妻と娘を一生離さない。

　やがて、美味しそうな匂いとともにハンバーグができあがった。
　付け合わせにほうれん草の炒め物とコンソメスープ、白いご飯もある。


「お待たせしました」

「おいしそ〜！！はんばーぐ！」

「ありがとうございます。本当にどれも美味しそう」

「いやいや、そんなに得意じゃないからお口に合うかどうか……。
星來ちゃんのは小さく切ってあるから」

「ありがとうございます。星來、いただきますは？」

「いただきますっ！」


　元気よくいただきますをして、子ども用のフォークを使ってパクッとハンバーグを口に入れる。
　もぐもぐしてから、ごっくんと飲み込み「おいしい！」と言った。


「美味しい！？よかった〜」


　日華さんは大袈裟に手を胸に当て、安堵した表情を見せる。


「おいしいよ！」

「よかった。いっぱい食べてね」

「はーい！」


　ほうれん草の炒め物は嫌がるかと思っていたけど、甘めの味付けにしてくれたおかげで意外にも食べてくれた。


「ごちそーさまでした！」

「えらいね、星來。全部食べれたね」

「おいしかった！」

「よかったよ。僕もすごく嬉しい」

「パパがいたら、こんなかんじなのかなぁ？」


　星來の何気ない一言に言葉が詰まってしまった。