ミステリアスなイケメン俳優は秘密の妻と娘を一生離さない。


* * *


 翌朝。朝食は日華さんがおにぎりを作ってくれていた。朝食は私が作ろうと思っていたのに、今はお客様だからと遠慮されてしまった。
 星來はおにぎりにとても喜んでいた。また、用意してくれた小花柄のワンピースも気に入ったようだ。


「日華さんにありがとうしてね」

「ありがとお!」

「どういたしまして。とっても似合っていてかわいいよ」

「えへへ〜」


 星來はすっかり日華さんに懐いている。


「きょおも、にちかさんちにいく??」

「今日はお家に帰るよ」

「じゃあ、にちかさんがせいらんちにくるの?」

「来ないよ」

「え〜〜こないの〜?」


 星來は不満そうに頬をぷくっと膨らませ、日華さんを見つめる。


「保育園の後にまた来てもいいよ」

「ほんと!?」

「でもママは一度お家に帰らないといけないから、僕とお留守番できるかな?」

「できる!」

「ちょっ、日華さん!」

「大丈夫だよ。今日は午前中だけ取材が入ってるけど、午後の撮影は撮休になったからオフなんだ。
特に予定もなかったし、星來ちゃんが来てくれたら嬉しいんだけど」

「いく〜〜!!」


 すっかり乗り気になってしまっている星來。
 流されないと決めた途端に流されている気がするけれど、星來が喜んでいるし……。


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