ミステリアスなイケメン俳優は秘密の妻と娘を一生離さない。


 星來を迎えに行って、とりあえず日華さんのお家にお邪魔した。
 日華さんは昨日よりもラフな部屋着姿で待っててくれていた。セットしていない無造作なヘアスタイルにキュンとした。


「お帰りなさい」

「ただいま〜!」


 ……当たり前みたく「お帰り」と言ってくれることが、何だかもどかしい。


「今日もお邪魔します。すみません、しばらく星來を見ていただけませんか」

「もちろん、元からそのつもりだよ。お家でやることもあるだろうし」

「実は、アパートが水浸しになってしまいまして……」

「ええっ?」


 私は訳を話し、何とか床の水は抜いて拭き終わったけれど、まだ片付けが途中なことを話した。


「一部濡れてダメになってしまった家具とかもあって、それを整理したいんです」

「星來ちゃんのことは任せて。でも、これからどうするの?」

「ホテルに行くか、実家の厄介になると思います」

「うちに住まない?」

「なっ、何言ってるんですか!そんなの絶対ダメです!」

「部屋は余ってるんだ。住み込みの家政婦さんということでどうだろう?」


 正直に言えば有り難すぎる提案ではある。
 願ってもない話だが、もちろん甘えるわけにはいかない。


「ダメです!そんなにご迷惑かけられません!」


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