ミステリアスなイケメン俳優は秘密の妻と娘を一生離さない。
束の間の夢
契約終了で会社を辞めた私は、早速日華さんの家政婦として働き始めていた。
朝食の準備をし、星來を保育園に連れて行く準備をして送り届け、帰ったら洗濯物。
洗濯機を回している間に掃除機をかける。洗濯機が止まったら洗濯物を干して、スーパーへ買い物。
自分用のランチを食べながら、空いた時間でデータ入力の仕事を進める。
乾いた洗濯物を取り込み、星來のお迎え。夕飯の準備をしていると、日華さんが帰って来る。
もちろん帰宅される前にお風呂は綺麗にしてあるので、先に入ってもらったり。最近は星來と一緒に入ってくれるので、とても助かっている。
星來は日華さんのお家に住むことになったと聞いたら、大喜びだった。
日に日に日華さんに懐いている。
日華さんも星來をとても可愛がってくれて、よく遊んでくれた。特に絵本を読んでくれる時はすごくて、流石俳優さんというくらいの名演技で読んでくれるから、星來は大ハマり。
何だかとても贅沢な遊びを覚えてしまった。おかげで毎日「絵本読んで」と日華さんにせがんでいる。
「毎日毎日すみません」
「いいんだよ。星來ちゃんが喜んでくれるから、ついやりすぎちゃうだけだから」
喜んではいけないのに、見たかった父と娘の光景を見ているようで不意に涙が零れそうになる。