ミステリアスなイケメン俳優は秘密の妻と娘を一生離さない。
日華さん、大丈夫かな?ネットで騒がれていることが影響してないといいけれど。
「お疲れ様です。わかりました、お先に休ませてもらいます。お気をつけて」
そう返信したけど、既読はつかなかった。忙しい合間を縫って送ってくれたのかもしれない。
また通知音が鳴り、今度は恭ちゃんからのメッセージが届く。
「明日って時間ある?飯でも行かないか?」
「お昼ならいいよ」
「じゃあ行こう!」
それからいくつかお店の候補を送ってくれて、スペイン料理のお店に行くことになった。
恭ちゃんに会うの久しぶりだから楽しみだな。
* * *
「あかり!」
「恭ちゃん」
レストランで先に待っていた恭ちゃんは、当たり前だけど大人っぽくなっていた。
高校の時は短髪だったけど、今はだいぶ伸びていて見ない間にイケメンになっていた。高校の時からモテてはいたけれど。
「久しぶり」
「久しぶり。元気だったか?」
「うん、恭ちゃんは?」
「ぼちぼちかな。早速頼もうぜ」
メニューを広げてパエリアを注文した。
恭ちゃんは京都のお土産に生八ツ橋をくれた。私が抹茶味が好きなのを覚えていてくれたみたい。
「恭ちゃんは建築士なんだよね?仕事どう?」
「今都内のマンションをいくつか造ってるんだ」
「へーすごい」