ミステリアスなイケメン俳優は秘密の妻と娘を一生離さない。
恭ちゃんはいずれ建築士として独立したいと考えているらしい。とにかく仕事が楽しくて仕方ないらしく、楽しそうに仕事の話をする恭ちゃんはとても輝いて見えた。
「あかりは今何してるの?」
「実は今、求職中で……知り合いのハウスキーパーをさせてもらいながら、次の職を探してるんだ」
「そうなのか」
建築士として活躍する恭ちゃんと、派遣を切られてしまった私。雲泥の差だよね。
「うちの会社くるか?」
「えっ」
「確か総務を募集してたと思うんだよな」
「でも私、子どもいるから時短になるよ」
「他にも時短勤務いるし大丈夫だよ。今紹介して採用されると3万円もらえるサービスやってんだ。
もし採用されたら俺も万々歳なんだよ」
「でも、建築の知識とか資格ないし……」
「総務なら資格いらないって。どうだ?やってみないか?」
恭ちゃんの会社は大手の建築会社だし、もし採用してもらえたらこんなに有難いことはない。
恭ちゃんもこう言ってくれてるし、やってみようかな……?
「それなら、お願いしてもいい?」
「任せろ。人事に話しとくよ」
「ありがとう」
思わぬところで棚からぼた餅だ。
恭ちゃんが人事に話を通してくれた後、履歴書を送って面接という流れになるらしい。上手くいくといいな。