ミステリアスなイケメン俳優は秘密の妻と娘を一生離さない。
「絶対に他言しないと言ったのに……やはりこうなったか」
「え?金城さん、知ってたんですか……?」
「ああ、知っていた」
え……?嘘だろ……?
「そもそも、彼女にお前と別れるように言ったのは私だからな」
「なっ……!」
驚きと動揺を隠せなかった。あかりはそんなこと一言も言っていなかった。
「妊娠したことも知っていたよ。無論誰にも他言しないようにと釘を刺したが」
「どうしてそんなことを……!!彼女が今までどんな思いで……っ!!」
「お前のためだ、日華」
「……っ!!」
「3年前、陽生日華が俳優としてブレイクした。そんな大事な時に、下手なスキャンダルを撮られては困るからな。ましてや子どもだなんて、冗談じゃない」
「……金城さん、俺は金城さんには感謝してます」
他の事務所のオーディションには落ちまくっていた俺を、拾ってくれたのは金城さんだった。
厳しいながら、いつも俺のことを考えてくれて、俳優として成功したのは金城さんの助力あってこそだと思う。
「でも、このことに関しては許せません……っ!あかりは今まで、たった一人で子育てしてきたんですよ……。それがどんなに大変なことか、子を持つ親ならわかりますよね!?」