孤高のエリート社長は契約花嫁への愛が溢れて止まらない
 歩きながらちらりと隣を見上げると、壱弥さんはなにかを堪えるように目を瞑っていて、つい笑ってしまった。

 この機会を逃すまいとあちこちでシャッター音が鳴ってるのに、さすがの彼も取り繕うことができなかったらしい。

 いつも無表情を貼り付けてる旦那様が、よりによって多くのカメラに目撃された気を抜けない場面で崩した表情。

 それだけ壱弥さんも待ち望んでいたのだと改めて感じて胸が詰まった。


 大切な人たちが祝福をしてくれて、愛しい人が隣に並び立ち、私のお腹には新しい命が宿っている。

 始まり方が酷かったせいだろうか。

 今、信じられないくらい幸せだ。

 捨てる神あれば拾う神あり。

 そう、私は間違いなく幸福の神に拾われたのだ。

 庭園の端まで歩き、ゲストに背を向けて立ち止まる。手にしていたブーケにすべての感謝を込めて、光に向かって高く放り投げた。









【契約婚!? 会って5分で極上CEOの抱き枕にされました ✧ 完】


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