孤高のエリート社長は契約花嫁への愛が溢れて止まらない
さっと血の気が引いた。私を真正面から見据えて、穂高壱弥はなんでもないように続ける。
「報告書によると想像以上にあっさり引っかかったんで拍子抜けした、とのことだ」
「ちょっと待って」
ふうと息をついてこめかみを押さえる。なんだか頭痛がしてきた。私の頭のキャパはすでにオーバー寸前だ。
つまり、昨夜の純也の浮気は最初から仕組まれていたということだ。それは、なんのために?
頭の中を必死に整理していると、低い声が平坦に言う。
「謝る気はない。こういう男は今回の件がなくても同じ過ちを繰り返す」
目線を上げた。じっと私を見つめる彼をまっすぐ見返す。
どこまでも尊大な態度だ。でもきっと彼の言うことは間違っていない。
スーツにベストをあわせたスタイルはとても凛々しく、真正面から改めて見ても私の身近には存在しないタイプの人間だと思った。そんな住む世界が異なる穂高社長が、私の目をまっすぐ見ている。
「これは強制じゃない。対等な取り引きだ。お前には選択の自由がある。それを踏まえたうえで言う」
クリアファイルから一枚の書類を取り出し、私の前に滑らせる。
「俺と結婚するか? 条件は毎晩の同衾。それ以外はお前の自由だ。その浮気男と別れるも別れないも」
「取り引き……」
「報告書によると想像以上にあっさり引っかかったんで拍子抜けした、とのことだ」
「ちょっと待って」
ふうと息をついてこめかみを押さえる。なんだか頭痛がしてきた。私の頭のキャパはすでにオーバー寸前だ。
つまり、昨夜の純也の浮気は最初から仕組まれていたということだ。それは、なんのために?
頭の中を必死に整理していると、低い声が平坦に言う。
「謝る気はない。こういう男は今回の件がなくても同じ過ちを繰り返す」
目線を上げた。じっと私を見つめる彼をまっすぐ見返す。
どこまでも尊大な態度だ。でもきっと彼の言うことは間違っていない。
スーツにベストをあわせたスタイルはとても凛々しく、真正面から改めて見ても私の身近には存在しないタイプの人間だと思った。そんな住む世界が異なる穂高社長が、私の目をまっすぐ見ている。
「これは強制じゃない。対等な取り引きだ。お前には選択の自由がある。それを踏まえたうえで言う」
クリアファイルから一枚の書類を取り出し、私の前に滑らせる。
「俺と結婚するか? 条件は毎晩の同衾。それ以外はお前の自由だ。その浮気男と別れるも別れないも」
「取り引き……」