花葬
「そんなことないよ。私は勉強しかとりえないから」私は控えめに言った。

勉強しかとりえがないのは、本当だった。私は、実家も普通の家庭で、特待生として、学費免除でこの大学に通っている。しかし、こんなにもお金に困るとは思わなかった。みんながみんな、ブランドものばかりを身につけ、ここまで、恥ずかしくない服装をすることに労力を費やすとは思っていなかった。


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