ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜5
「……これは美味しいな」

 黒豹のヴォラットが、スープを飲んで感想を言った。他の戦士たちも口々に言う。

「美味い! 今日の料理は美味いぞ」

「本当だ、味が違う」

 アライグマほどの壊滅的な料理センスを持つ者は幸い他にはいなかったようだが、今回のスープはエリナをお手本にして各料理当番が作ったため、いつもよりも格段に味がよくできていた。
 このスープに、火で炙ったパンと、その上に乗せたチーズで、今日の昼食になる。

「あら、なかなか美味しいじゃないの」

 ルールーも配られたスープを飲んで、「ここまで美味しいとは正直思わなかったわ」と笑った。そして、疲れた顔をしたエリナを見て「……子猫ちゃんががんばったみたいね」となにかを察した。

「料理の仕方の限度を越えると、気持ちが悪くなったり、おなかを壊したりします。そうなると戦闘力にも影響が出てくると思うんです。これを機会に、戦士の皆さんも適切な食材の扱い方を覚えた方がいいと思いますよ」

「そうだな。学ぶ場を設けることを提案しておこう」

 ルディは頷いた。

「その講師をエリナが……」

「絶対いやにゃ」

「……おう、わかっていたぞ」

 警備隊長は、目の下にくまを作ってしまった子猫の頭を「よしよし、お疲れさま」と優しく撫でた。
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