ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜5
「わかった。無理だけはしないでくれ」

 ふたりの返事を聞いて、ウィリオは『今は背負わなくていいかな。だが、疲れた素振りを見せたら、すぐに背中を貸そう』と思って、ふたりの様子を観察しながら進んだ。
 森エルフは、戦士同士は荒っぽい付き合い方をするのだが、そうではない女性にはとても優しいのである。もしも少しでも歩くのがつらいようならば、彼は王子の身ではあるが、小さな子猫をなるべくおんぶして歩こうと予定していたのだ。

 そんなウィリオ王子の内心を見透かすセライラスタングリーズルは、『まったくもう、可愛らしいんだからさ! うちのウィリオ王子は、本当に素直でいいやつなんだよね。ついつい肩入れしちゃうよ』とほんの少しだけ微笑んだ。

『調子に乗るといけないから、褒めてはやらないけどねー』

 セラはそう思いながらも王子の頭をぐりぐりと撫で回して「痛い痛い、何をするんだセラは!」と追いかけ回された。

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