ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜5
「もうそろそろだからがんばってくれ。この先の湖の近くの木に、わたしのツリーハウスを作ったのだ」

 森の中の気持ちのよい散歩をしばらく楽しむと、ウィリオ王子が少女たちに声をかけた。

「ええっ、湖があるにゃん?」

「ああ、澄んだ水が美しい湖だぞ。しかも、美味しい魚も泳いでいる」

「にゃにゃっ、お魚がいるにゃんね! しかも、美味しいお魚が!」

『美味しい魚』という単語に激しく反応するあたりは、さすがは猫のエリナだ。

「それに、あとで実際に体験してもらいたいが、この湖はとても不思議な湖なのだ。水温が場所によって変わるから、とても冷たくて手を入れるのも辛い場所があれば、ぬるめのお湯くらいの場所もある。飲用にするには湖底から澄んだ水が湧き上がる場所があるし、水浴びの時はぬるま湯のところが気持ちいいのだ」

「それはもしや、湖の中に湧く温泉なのではないのかにゃ?」

「おそらくそうだと思う」

 日本には川の中や海の中に湧く温泉があるから、湖にあってもおかしくない。

『すごいにゃ、天然温泉付きの旅ができるとは思わなかったにゃん』

 エリナは期待に胸を躍らせるのであった。
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